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小補肝湯証の治方を経方医学で読み解く(修正)

漢方医学

小補肝湯第一弾 小補肝湯の症状を経方医学で読み解く
小補肝湯シリーズ第二弾である。

 肝気虚は診断が困難である。症状からも肝鬱を兼こともありその結果柴胡を配薬するなどの誤治してしまうことがある。
配薬を見てみる。
桂枝乾姜五味子各三两枣十二枚,去核,一方作薯蓣,当从

 肝気虚は胆気虚を続発する。脈証は短脈が出現することが多いだろうがその情報はない。あくまで症状と、配薬で読み解く。
 経方医学における病機は腎胆不足兼肝鬱熱と判断したことは前回の通りである。胃気は通常に近い状態にある。そこで肝気虚による条達や疏泄を補うため胃気は鼓舞される。しかし膈不利があるため胃気は腎へ多く降りる。発汗が多いものの腠理の開閉不利がある。そのため水気を伴い腎気が心へ上衝する。また膈不利で胃熱が膈胸と伝わり心包に熱が伝わり夢を見やすい。また胃の直達路から頭顔部へ至り眩暈する。
 これに対して、肝胆気虚は桂枝湯加減であこと(江部洋一郎 THE MAMPO Vol9, No3, May 1991 p5)、心への上衝や頭顔部への直達路への標治で桂皮。発汗し過ぎて気虚から陽虚へ進行しているため胃気を乾姜(生姜ではなく)で高めて温補して大棗で守胃生津。五味子で疏泄し過ぎないように収斂する。また腎の固摂をして上衝を防ぐ。胃気が高まり腎は更に補気されるため、腎の陰虚へ進み陽亢してしまう。そのため山薬で腎陰を補う。

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