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小瀉肝湯の経方医学による病機と治方

漢方医学

第一弾 小瀉肝湯の処方構成と適応症状
引き続き、第二弾である。
 改めて小瀉肝湯が治す病機と症状は
 治肝实两胁下痛,痛引少腹迫急時乾呕者方

 小瀉肝湯の経方的な症状の出現、配薬による治方をあれこれ考える。
 肝実であることや症状を見ると、やはり膈に邪があると考えて間違いない。江部洋一郎著経方医学4東洋医学出版社p127に膈邪がある場合、各臓腑にどの様な症状が出現するのかがレビューされている。
「两胁下痛」脇痛でも脇下痞鞕でもなんでも良さそうだ。
「痛引少腹迫急」急に腹が痛むということ。上記引用では小腸が急に痛むとある。は現代の漢方用語の臍下の痛みが急にくるようなイメージとしてはちょっと離れている。ちょっと腹痛と訳すのはさすがに変だ。少腹が特定の部位ということが分かったら訂正することする。

 「時乾呕者」時々吐き気するのだ。同上引用ページでも喜嘔、嘔とあるから矛盾はない。

 ああ、柴胡を使いたくなる欲望に駆られる。甘草も欲しい。芍薬も。
 しかし欲望を根拠にこの配薬を冷やかすのは良くない。まあそれはともかく、柴胡は肺から衛気が皮肌に出てく方向になる。外向きだ。一方芍薬、枳実は内向きである。真反対だ。つまり「邪」について外感病は想定していない。よって外に出すというイメージにはしないのだろう。今風にいえば内傷で発生した邪。だから膈に実邪がある状態であるが解表一辺倒にはしない。経方医学でいえば、生姜で胃気を鼓舞して、膈にある邪を第一第二分別へ持っていくような下瀉である。多量の生姜で吐き気をも抑える。見事な組み合わせだ。
 次は経方図を描く。

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