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経方のギモン:風湿相搏病と歴節病の芍薬違い

漢方医学

 通絡には、プッシュとプルの両方が必要であると考えられる。桂皮がプッシュの役割を果たすならば、芍薬がプルの役割を担う。

 しかし、金匱要略において風湿相搏病の処方には芍薬が含まれていない。一方、歴節病の処方には芍薬が含まれている。両者ともに疼痛を伴う風湿病であるにもかかわらず、この違いはどう説明できるだろうか。

 経方医学における歴節病の理論を参照すると、代表的な処方である桂芍知母湯や烏頭湯では、芍薬が通絡作用を持つとされている(経方医学3 p123 江部洋一郎著)。

 漢方医学では、疼痛に関する基本的な原理として、通じなければ必ず痛むということが言われている。逆に言えば、絡を通せば痛みは和らぐということである。したがって、痛みを除去するためには、そもそもの「通じない」つまり阻絡の原因を究明する必要がある。

 一般的に、阻絡の原因としては、瘀血や痰飲や気虚などが考えられる。それぞれの原因に対応して、化瘀剤や去痰剤や補気剤などを選択する。

 それ以外は、例えばストレスが原因で隔が不利になることもあるので、柴胡を用いることもあるだろう。しかし、これはあくまで個別の事例によって異なる。

 ああこういうとき師匠の見解を聞きたいと思う。私は彼が亡くなる前に、その問題に気づくことができなかったことを残念に思う。

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