弁証要点
『経方方証縦横』に基づく「葛根湯」の弁証要点および仲景方論の記述について以下のように記載されている。
- 構成と基本効能:本方は桂枝湯から桂枝と芍薬の用量を減らし、麻黄と葛根を加えることで構成されている。風寒を発散する働きを基礎として、気血を調和し、痙攣を解いて急を緩め(解痙緩急)、清気を昇らせて下痢を止める(升清止利)効能を兼ね備えている。
- 適応疾患:太陽傷寒に「項背強几几(うなじや背中がこわばる)」を兼ねるものを治療するほか、風寒に属する剛痙や痘瘡、麻疹の初期などの治療にも用いられる。
- 具体的な使用目標:
- 風寒を解散しつつ発汗過多の弊害がなく、さらに津液を昇らせて筋脈を舒緩させることができる。外感風寒に起因する身体や関節の疼痛、項部の強ばりなどに使用できる。
- 風寒を外散し、陰気を上達させて下痢を止める働きがあるため、赤痢や腸炎などの消化器系疾患の治療に応用できる。
- 風寒外感、あるいは風寒に属する気管支炎、アレルギー性鼻炎など、風寒の邪が肺気を侵犯することに関連する疾患に適用される。
- 他方との鑑別:葛根湯と桂枝加葛根湯はどちらも「項背強几几」を治療するが、桂枝加葛根湯は「表虚自汗」を伴うため麻黄を抜いているのに対し、葛根湯は「表実無汗」であるため麻黄を加えているという違いがある。
仲景方論
張仲景の『傷寒論』からの引用として、以下の2つの条文が記載されている。
- 『傷寒論』第31条
- 「太陽病、項背強几几、無汗、悪風、葛根湯主之(太陽病で項背がこわばり、無汗で悪風する者は、葛根湯がこれを主治する)」
- 『傷寒論』第32条
- 「太陽与陽明合病者、必自下利、葛根湯主之(太陽と陽明の合病の者は、必ず自ら下痢する。葛根湯がこれを主治する)」


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