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【輔行訣】小勾陳湯を 経方医学で読む

雑記

 小勾陳湯(しょうこうちんとう)を経方医学で読んでいく。

 非常にシンプルな配薬になっている。

 小勾陳湯

治天行熱病、基人脾気素虚、腹痛、下利不止者方。

白朮、姜、甘草、大棗各三両

右四味、以上水五升煮取二升、温服再服。

 意訳を記す。

 以下のようなものを治す。

 天行熱病

 外感病の熱病

 基人脾気素虚

 元々脾気虚である。

 腹痛、下利不止者

 腹痛、下痢止まらぬ者

 

  経方医学的な病機と治方の解説

 元から脾気虚がある。外感病が外殻から侵入してくる。胃気の鼓舞は期待できない。守胃されない胃気は肌へ溢れて肌気は熱を持ち発熱。これは真武湯の病理(経方医学3p143)に近い。真武湯と異なるのは本剤において腎気が真武湯ほど気虚していないことである。また小腸気も十分供給されずに阻絡され腹痛。さらに分別失調をきたし下痢。

 次は治方である。甘草、大棗で守胃し、生姜で胃気を鼓舞する。肌へ溢れた胃気は守胃されたことで、熱をもった肌気は抑えられる。小腸気が供給されて疎絡されて腹痛が消失。分別障害は白朮と相まっておさまり、下痢を治す。

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