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外来での知見をZettelkastenにメモをするとき

Obsidian

 あるテーマについて古典や過去の文献を探し、それをつなぎ合わせて永久保存版メモにする。私なんて不勉強なのでおお!これは!!などと、閃いて、バーとまとめる。こういう作業はあまり、苦労しない。時間をかければ書き上がるしそれっぽくもなりやすい。ただ、これは私にとって結構感覚的につまらない。ずっと宙を浮いている様な感じ。臨床家としては現場から切り離されてしまう感じと言ったら良いだろうか。

 その一方で仕事上得た知見についてはちょっと捻りが必要で時間もかかる。但しその情報量は膨大である。永久保存版メモは10枚以上に発展することもあった。

 例えば現在進行形のテーマとしては腹満。西洋医学でそうであるように東洋医学でも鑑別するため病機は様々だ。
 経方医学で腹満と言われてまず想起するのは、太陰病であること、あと気痞である。太陰病といっても別に傷寒でなくてもいい。要は胃気の小腸への伝導障害、そしてもうひとつは水気病の桂姜棗草黄辛附湯の気痞。これまでだいたいこれらの加減で対応できていた。
 
 浮腫を伴った腹満を主訴に受診された方がいた。西洋医学的な精査は終了していると考えて良い。慢性的な経過と考えて、気痞と考えた。しかしこれが振るわない。厚朴などを入れても難治。浮腫は改善傾向。

 となると伝導障害つまり桂枝加芍薬湯方意を使うこととした。今のところ次回受診まで治療効果は不祥だ。

 こう言った場合、腹満症状の病機の整理だ。経方医学を見直して、さらに中医学の鑑別や雑誌の検索、老中医(東洋医学の先輩たち)の医案ということになる。時間的な制約があるので全てチェックはできない。でも、読んだ分はその患者さんに結び付けていける。永久保存版メモへ行き着く。さらにそのメモはエバーグリーンガーデンの1つとなり熟成され次第にアトミックなノートなり洗練されていく。

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