(個人が特定できないように内容に変更を加えてます。)
ある日の外来でのこと。代理医師として診察室に入った私の目の前に、20代の患者さんが座っていた。
愁訴は呼吸苦と吸気時の胸痛、そして頭痛。前医ですでに頭部MRIと胸部CTが撮影されていたが、幸い画像に異常はない。しかし、患者さんは確実に苦しんでいる。
時刻は12時を過ぎ、昼食時間。私には次の予定も控えている。だが、目の前の患者さんを前にして「異常がないので大丈夫です」と突き放すことなどできるはずもない。
漢方的に言えば、これは「粛降(しゅくこう)障害」だ。肺から胃や大腸へ気を降ろす道筋のどこかで、何かが詰まっている。詳細な診察には時間が必要だが、今は時間がない。私は、まずは頭痛を止めるために「SG顆粒」を、そして気の巡りを改善させるために「神秘湯」を選択した。
漢方外来ならばこれを生薬で処方してさらに桂皮、呉茱萸を加え、SG顆粒は処方しないがまあ内科の代理医師だからしょうがない。
「もしこれで治らなければ、3日後の漢方外来で徹底的に診察して治しましょう」
そう告げて診察を終えた。
3日後。再診時に顔を合わせた患者さんの症状は、綺麗に消失していた。採血結果にも異常はなく、一安心。
SG顆粒が頭痛以外、吸気時の痛みを鎮めてくれたことは否めない。しかし、呼吸苦までを即座に消し去る力は鎮痛剤にはない。やはり、神秘湯の力が功を奏したのだろう。
病院で「検査異常なし」と言われ、途方に暮れている不調はありませんか?
変な症状、繰り返す不調。そんな時こそ、一度「漢方外来」という選択肢を思い出してほしい。体の中に滞っている「気」の流れを整えることで、道が開けることがあるのです。


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