桂枝湯類は前回で終了。今回からは麻黄湯類である。
『経方方証縦横』における、麻黄湯の弁証要点と仲景方論について解説する。
弁証要点
臨床応用における要点として、以下のように記載されている。
- 適応疾患と治療法則
- 本方は「発汗解表」を行う「辛温発汗の峻剤(強い発汗作用を持つ処方)」である。およそ風寒が肺を犯したことによる咳喘、気管支炎、気管支肺炎、慢性肺源性心疾患(肺性心)、大葉性肺炎などの証であれば、すべて本方を加減して用いることができる。
仲景方論
張仲景の『傷寒論』からの引用として、麻黄湯には以下の9つの条文が記載されている。
- 『傷寒論』第35条:「太陽病、頭痛発熱し、身疼き腰痛み、骨節疼痛し、悪風し、無汗にして喘する者は、麻黄湯がこれを主治する」
- 『傷寒論』第36条:「太陽と陽明の合病で、喘して胸満する者は、下してはならない。麻黄湯が宜しい」
- 『傷寒論』第37条:「太陽病、十日已に去り、脈浮細にして臥するを嗜む(横になりたがる)者は、外已に解するなり。設(も)し胸満脇痛する者は小柴胡湯を与え、脈ただ浮なる者は麻黄湯を与える」
- 『傷寒論』第46条:「太陽病、脈浮緊、無汗、発熱、身疼痛し、八九日解せず、表証なお在るは、此れ当にその汗を発すべし。服薬して已に微かに除き、その人発煩目瞑し、劇なる者は必ず衄(鼻血)す、衄して乃ち解す。然るゆえんの者は、陽気重きがゆえなり。麻黄湯がこれを主治する」
- 『傷寒論』第51条:「脈浮なる者は、病表に在り、発汗すべし。麻黄湯が宜しい」
- 『傷寒論』第52条:「脈浮にして数なる者は、発汗すべし。麻黄湯が宜しい」
- 『傷寒論』第55条:「傷寒、脈浮緊、発汗せず、因って衄(鼻血)を致す者は、麻黄湯がこれを主治する」
- 『傷寒論』第232条:「脈ただ浮にして、余証無き者は、麻黄湯を与える。若し尿せず、腹満し哕(しゃっくり)を加える者は、不治」
- 『傷寒論』第235条:「陽明病、脈浮、無汗にして喘する者は、発汗すれば則ち愈える。麻黄湯が宜しい」


コメント