以前報告したに、吐き気症状が愁訴の方。
この条文の吐き気について大切なのは普段食べている時に大丈夫で食べた時に吐き気があるという部分(経方医学6 江部洋一郎 東洋医学出版社p658)。
有効であったので胃寒、あるいは寒飲が存在したことは確かだ。
ところがカルテを見返すとそこに食べた時に吐き気が出る云々の記録がなかった。
単に吐気とあると、記録されているのみであった。
これまで、丁寧に愁訴を聞いていたつもりであった。
でもこの件ではそれはもはや言いわけにしかならない。
忘却していたから、問診がきちっと出来ていなかった。
この書例は私の無知を、思いの至らなさを知ることができた。
頭痛や胸部の掴みどころではない分からない症状も。煩躁や胸満と言えなくもない【傷寒論第309状。金匱要略嘔吐噦逆下利病第8条)。
実のところ私は生薬処方する際、検討していたのは柴胡剤系だ。
細かい四診はしていないものの、患者さんは非常にストレスフルな印象あった。
ここで仮に胃寒の存在を見破れず、あるいは柴胡剤で治療しようとした場合、おそらく誤治となり場合によっては増悪していたろう(傷寒論243条)。
非常に学びが多い症例であった。
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