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「医者が教える健康断食」に惹かれた

ダイエット

 前回のファスティングへの導入の元となった本をここで紹介する。

 単に痩せるためのセルフトークをやめ、脂肪を減らして筋肉量を増やすアファメーションに変更して数ヶ月。

 令和5年10月まで続く減量期にこのファスティング(断食)を取り入れようと思ったきっかけになった本の紹介をしたい。

 増量期を終え、減量期間の今も、健気にアファメーションを繰り返している。スコトーマが外れて目についてしまった本が「医者が教える健康断食ジェイソン・ファン/ジミー・ムーア著 株式会社文響社 2021年電子版発行」である。私にとって悪魔のささやきであった。

  タク氏の名著(「運動・筋トレ・ファスティングしてもリバウンドで痩せることができないおデブちゃん」と「ダイエット・努力とは無縁のスレンダーちゃん」: 何をやっても痩せなかった私が、努力ゼロ、リバウンドゼロで痩せた、心理学的・認知科学的ダイエット法 ~これ以上、時間・お金・エネルギーを無駄にしないために~)ほどのインパクトはなかった。しかし鉄壁のような体脂肪をエネルギーに変えて消費するための具体的な方法とその理論が体験談とともにざくざくと書かれていた。しかし残念ながら今の私の知識ではとても受け入れがたい理論も確か記述されている。それはつまるところ臨床医としての医学的常識だ。外来でこれを患者さんに指導できるかと言われることちょっと、いやだいぶ難しい。

 ただし、やることと言えばまことに単純。金もかからない。健康被害は実行する私だけ。何ならそこはタク氏の名著(前出)とも共通する部分がある。それは食べないこと。ファスティングなのだ。

 勿論何日にも及ぶ長期の断食は私の日常には未だに受け入れがたい。しかし16時間断食はとても身近になっている。一日一食つまり24時間断食(22時間?)もすぐに出来そうだ。さらにもう少し長めも。

 しかしここでそもそもの疑問が湧くだろう。

 ファスティングは何がいいのか。

 それはこの本の最大のテーマ。そして目標。インシュリン分泌量が下がった状態にすると言うことなのだ。

 著者の主張を私なりの言葉で説明する。

 何故太るか。それはインシュリン抵抗性が高いためエネルギーを脂肪貯蓄に回してしまうからだ。もうちょっと詳しく説明すると、高血糖を避けるため、インシュリンがグルコースを細胞に取り込む量を増やそうとする。でもすでに細胞はグルコースでいっぱいだ!勿論高血糖は危ない。だから細胞内にグルコースを押し込もうとインシュリンが沢山分泌される。でも、細胞はグルコースぱんぱんだ。ここでグルコースをさらに細胞に押し込もうともっとインシュリンが分泌されて…。この悪しきサイクルで脂肪増加に結びつく。このことはは恐らく医師であれば直感的に分かっていて、でも口には出さないことだと思う。

 ではどうするべきか。要は細胞内のグルコースをちゃんと消費して、インシュリン分泌量を下げた状態にする。そして肝臓に蓄えたグリコーゲンも消費して、脂肪燃焼へ結び付けるということだ。勿論、糖質制限でも有効である。しかしファスティングは更に有効であるというのだ。

 この本の主張で魅了されてしまうのはファスティングだけではない。何と、食べろというのだ。言い方を変えると「ごちそうの後にファスティング。ファスティングの後にごちそう(医者が教える健康断食ジェイソン・ファン/ジミー・ムーア著 株式会社文響社 2021年電子版発行p137)」なのだ。つまり食べる食べないをちゃんと分けろという、何とも言えないバランスを求めている。勿論どこに支点があるのかは今の私には分からない。

 荒唐無稽?そうかも知れない。でも、胸に手を当てて、色々と思い出してみる。ダイエットすると、代謝が低下することを懸念される。そう言っておきながら、私たち医師はカロリーのインアウト理論から、摂取カロリーより消費カロリーを多く取れと指導する。つまり、摂取カロリーを減らせと指導する。それ、先ほどまでダメだと言っていた、代謝が落ちることを指導しているのだ。

 結果どうなるか。カロリー制限はダイエットを成功したとしても代謝が下がるのでリバウンドし易い。低くなってしまった代謝のせいで、体重が上がってしまうのだ。困ったことにリバウンドした場合、個人が我慢できないから悪い、という風潮がある。だからあまり表に出ないだけなのだ。

 カロリーのインアウト理論から、マイナスカロリーで仮にダイエットを成功したとする。でも代謝を上げるためにどうすれば良いのか?筋肉を付ける?一般的な理論からいうとカロリーオーバーしないと筋肉はつかない。糖質も勿論必要になってしまう。言うまでもなく、脂肪も増える。代謝を上げるために体重を増やすのはデブへの道筋ではないか。

 これが、私の得た増量期を過ごしたもやもやした結論であった。幸い、去年ダイエットを成功した時のデータに基づき、体重減少の過程にはあるものの、実は最近なんとも釈然としない日々だった。

 ならファスティングはもっと代謝が落ちるのではないか。しかし実はそうすることで代謝が落ちることはない。逆にファスティングすることで代謝がむしろ上がることを著書の中でデータを引用している。その話は別の機会に。

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