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大瀉肝湯の経方医学解釈

漢方医学

大瀉肝湯(だいしゃかんとう)に適応する症状は以下の条文から。

治头痛目赤,多恚怒,胁下支满而痛,痛连少腹迫急无奈方

 意訳すると頭痛、目が赤く、いつも怒っていて、脇下は痛み、その痛みはお腹に達して痛くてしょうがない状態を治す。
 これを再び、経方医学4p127における膈邪と関連した臓腑症状を参照にすると、頭顏部の頭痛、脇痛、腹痛はあるようだ。目が赤い、そしていつも怒っている感じというのは、当該ページにはない。しかしこれは肝火による傍証であることは容易に気がつく。
 膈邪によりそれを祛邪しようと胃気が高まる。しかし膈邪が強く胃気は直達路を通って頭顔部に到達し、頭痛や目が赤くなる。
 膈邪で脇下痛、さらに小腸に伝わり腹痛がする。

 この症状に対する治方の配薬は以下の通り。

枳実芍薬甘草各三両、黄芩大黄生姜各一両

 経方医学において関連する症状から配薬の働きを抜き出すと甘草は守胃(経方薬論p20)
 同様に黄芩は膈、小腸の清熱(経方薬論p11)。
同様に大黄は清熱と瀉下(経方薬論p70)。
枳実、芍薬、生姜は小瀉肝湯該当部分を参照。
 経方医学で本方剤の方意を検討する。
 肝病における膈邪が強くなっている。とても柴胡を使いたい。でも使わない。
 大瀉肝湯の方意を検討する。黄芩は膈熱を清する。大黄は小瀉肝湯より下法をさらに進める。恐らく熱は腸にも及んでいる(痛连少腹)。よって小(大)腸も清熱する。また大黄で下し過ぎないように3両の甘草で守胃する。吐き気はないので、生姜は小瀉肝湯証の時の3両ではなく1両で胃気を鼓舞する。

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