これがZettelkastenによるプロダクトなのか。
丁寧に、慎重に情報収集したものをリソースとし、日々の文献メモと永久保存メモを作成してGoogle Driveに保存していた。少しメモの数が溜まってきたため、個別の情報だけでなく「文脈」も気にかけた方が良いと考え、蓄積された永久保存メモを眺めることにした。面白いつながりが見えてきたらStructureノートにまとめようと、メモの間を行ったり来たりしていたのである。
そしてこの時、ある画期的な手法とGoogle Driveの機能が結びつき、身震いするほどの感動を味わうこととなった。本記事では、ただのメモ書きを「独自の着想」へと昇華させた具体的な手順を紹介したい。
知識を脳に浴びせる「高速プレビュー」
私のメモの振り返り方は、一つひとつのファイルを律儀に開くようなことはしない。朝の集中力が高まる時間帯に、Google Driveの「永久保存メモ」が入っているフォルダを開き、任意のファイルを右クリックして「プレビュー」を選択する。
あとは、キーボードの左右の方向キーを使い、次々にメモを切り替えていく。「ぱっぱっぱっ」とリズミカルに見ていくのだ。
プレビュー機能を使って視覚的にテンポ良く情報を脳に浴びせることで、思考を止めることなく、過去の自分の知識の断片を高速でフラッシュバックさせることができる。
脳内の「ひっかかり」が言語化される瞬間
この高速レビューを繰り返していると、ずっと意識の底にあった「ひっかかり」が突然、形を持ち始めた。
私は以前から、中焦(ちゅうしょう)を整える際に、炎症の主座によって「白朮(びゃくじゅつ)」を入れたり入れなかったりすることに問題意識を持っていた。痰飲(たんいん)をさばく白朮を、それ以外の目的で入れたくても入れられない局面があったはずだ、と。
高速でメモを浴びる中、突然「ああ、昇陥湯(しょうかんとう)と補中益気湯(ほちゅうえっきとう)では、白朮が入ったり入らなかったりする!」という事実に思い至った。バラバラだった知識のピースがバチッと繋がり、一気に発想が広がっていったのである。
Google Driveの「ワークスペース」が文脈を繋ぐ
閃きを得た私は、即座にGoogle Driveの「ワークスペース」機能を立ち上げ、思い浮かんだタイトルを打ち込んだ。
するとどうだろう。Google Drive内に残る関連ファイルが、AIによって即座に候補としてサジェストされたのだ。驚くべきことに、提示されたのはすべて、私自身が過去に書き溜めた文献メモと永久保存メモであった。そして、それらを元に、先ほどの疑問に対する明確な回答が導き出されたのである。
これは当たり前のことだろうか。決してそんなことはない。大概の場合、検索から集めた「外部の資料」がファイル候補として挙がり、それを元に答えを継ぎ接ぎして導き出すものだ。
しかし今回は違った。サジェストされた自分のメモ群が文脈を持ち、全くの「私自身の着想」として一つの論理が構成されたというわけである。
おわりに
たしかに、まだ完璧なStructureノートが出来上がったわけではない。著書と呼べるほどの長さを持つ文脈でもなかった。しかし、外部の借り物ではない、少なくとも私自身のオリジナルの発想から、一つの文章が現れたと言って良い。
自分の手で育てた知識のネットワークが、ある日突然、思いもよらない回答を提示してくれる。身震いするほどの感動であった。
これからもコツコツと、未来の自分への贈り物として永久保存メモを作り続けていきたい。



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