ダイエット。情報を整理して最もらしい理屈を作り上げて、これで正しかろうという内容を自分自身で試してきた。
実際に一定以上の成果も得てきたつもりだ。
今でも認知科学の実践を続けスコトーマ(盲点)を今も外し続けている。
探して回る情報は玉石混交で、とりあえず皆見て回る。
例えば素人が書く自叙伝的なダイエット。得ることが多いものもあるし、見るからに誤った方法ならば笑い飛ばしてネタにする。
医師が書く疑似医学、医学もどきならばどうだ。それも、内容がおかしかったら笑い飛ばすことができる。
しかし、肝心のお前はどうかといわれると、決して笑い飛ばせないことがある。
以前近畿地方で糖尿病治療で糖質制限食を指導していた。多くの糖尿病患者さんがあっという間に血糖値が安定していった。それと同時に痩せていく様子を見てきた。頭がぼーっとしていたのがすっきりして「俺をこんな目に合わせやがって。」と前医を罵倒した患者さんもいた。
近畿を離れて多くの月日が流れた。そんな私は糖尿病治療にカロリー制限を勧めている。10年以上経つと良心の呵責に耐えられず張り裂けそうだった気持ちにも慣れてきた。
そう。自分のことは、感情が死んだので、笑い飛ばせない。
しかし一抹の拠り所があった。それは何か。
そうだ、糖質制限食は糖尿病患者さん用だ。ダイエットとは関係ないとあえて、心に蓋をしていた。
しかし外来をやっていると、太ったカラダに、悩む方が来られる。
それもちょっと小太り程度。でも既に膝に来ていたりする。
そんなヒトにこれまで、
「食べなくて、運動すればいいい。」
と、一言しゃべってきた。
するとだいたい、はい、頑張りますと患者さんは答える。
予め言っておく。これは科学的な裏付けがなく、いやそれどころか幾度も研究レベルで否定され、その上経験的にも成功できない方法。完全否定されいるのに、患者さんを黙らせるキラーワードになっている。
正直に言おう。
ほぼ全講義を出席した私は、 医学教育において痩身法は習った記憶がない。
だから、医者が全員ダイエット法を知っていると思わない方が良い。
さらに正直に言おう。
私は今ジェイソン・ファン医師の著作を読みその結果ダイエットについての見識が大きく変わってきている。
私は彼を知らない。トロント在住の方であるという。
そして氏が著作で事実を突きつきつける事実。殆どは既知の事柄か、それに近い事柄である。目新しい内容でも医師なら調べればその事実の正誤を確認できる内容だ。しかし私がショックだったのは、ほとんど知っているのに、強いスコトーマでそれらを受け入れてなかった。
今でも、糖尿病に対する食事療法は糖質制限食が正しいと胸を張れる。しかし、体脂肪を減らすダイエット法として糖質制限食が完成しているかと言えば部分的に正しいとしか言えなくなってきている。
手持ち4冊ある氏の著作を半分以上読破した。さらに整理してDr.おぐりん家用のダイエットv2を作って行こう。それまでの間は中休み。チョコレートダイエットをしていこう。来年の健康診断までまだ、1年位あることだし。
そして、今のところ痩せる方法はないかと言われたら、よく分からないと答えよう。
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