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心下毒痛を検討する

漢方医学

 小青竜湯で頭痛が治せるのは心下の有水気が関連があるのではないかと考え、心下の病機を見直すこととした。今回は心下毒痛である。

金匱要略の婦人妊娠病第10条にある。

心下毒痛は白朮散方の加減の1つで川芎を倍加する際の症状である。

毒痛とはとてつもなく痛むことを表している。

ではそもそも、白朮散証の痛みとは何だろうか。

この方剤は不思議で妊娠して胎児を育てるには白朮散が主るというのだ。

内容は白朮、川芎、蜀椒、牡蛎、これを散剤にして酒(妊婦酒飲んじゃだめっす)で一分寸匕(ちょこっと)を飲むというものだ。

経方医学では方剤解説をみつけることができなかった。配薬から察するに虚寒性胃腸障害で腹痛を繰り返す場合の処方といえる(東西医学よりみた金匱要略 曽野維喜著 南山堂p511)。

痛みは絡不通が原則である。この症例ではやはり虚寒により出現する痛みなのであろう。

普通に虚寒に処方するならば例えば、温めれば良いわけである。しかし相手は妊婦である。妊婦に対して好き勝手に処方できない。そこでそっと加減するというわけだ。但し、川芎は白朮散では4両、その倍だから8両である。そっとかどうかは主観の問題である。

そして、頭痛に対する心下の症例としては、直接的に関連するとは言い難い。

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