毎日午前7時にブログ更新

小補腎湯の病機

漢方医学

最初に条文を挙げる。

小补肾汤

治虚劳失精,腰痛,骨蒸羸瘦,小便不利、脉快者方:

地黄竹叶甘草各三两泽泻一两

右四味,以水八升,煮取三升,日三服。小便血者,去泽泻,加地榆一两[分];大便见血者,去泽泻,加伏龙肝如鸡子在;苦遗精者,易生地黄为熟地黄;小便冷,茎中痛者,倍泽泻为二两;少腹苦迫急者,去泽泻,加牡丹皮一两[分]心烦者,加竹叶;腹中热者,加栀子十四枚,打。

虚劳失精

虚労とは臓腑や陰陽気血が虚損された状態である。失精は夢精のことである。

腰痛

腰痛

骨蒸

骨蒸は強い発熱。

羸瘦

痩せていること

小便不利

小便が出にくい

脉快

脈が速い状態

 病機として、何らかの原因で消耗性疾患となり、痩せて、陰虚内熱が進み骨蒸。腎虚になり失精、腰痛を起こしている。また、虚労が進み前後通の気への胃気供給は抑制。脈外の気に胃気が優先的に集中し、脈は数となる(経方医学1 江部洋一郎 東洋医学出版社 p73)

 以下に虚労失精、羸痩、骨蒸についての条文解釈について補足した。

 虚労といれば金匱要略の血痺虚労病編である。失精も含む。方剤としては例えば小建中湯証である(経方医学2 江部洋一郎 東洋医学出版社 p20)。

羸痩は経方医学では3カ所ヒットする。

血痹虚労病脈証并治第六

虚労裏急,悸,衄,腹中痛,夢失精,四肢痠痛,手足煩熱,咽乾口燥,小建中湯主之。

(14)虚労裏急,諸不足,黄耆建中湯主之。(於小建中湯内加黄耆一両半,余依上法。気短胸満者加生姜;腹満者去棗,加茯苓一両半;及療肺虚損不足,補気,加半夏三両。)

(15)虚労腰痛,少腹拘急,小便不利者,八味腎気丸主之(方見脚気中)。

(16)虚労諸不足,風気百疾,薯蕷丸主之。

(17)虚労虚煩不得眠,酸棗仁湯主之。

【附方】

『千金翼』炙甘草湯(一云復脈湯):治虚労不足,汗出而悶,脈結悸,行動如常,不出百日,危急者十一日死。

『肘後』獺肝散:治冷労,又主鬼疰一門相染。

肺痿肺癰咳嗽上気病脈証并治第七

『外台』炙甘草湯:治肺痿涎唾多,心中温温液液者。(方見虚労中。)

黄疸病脈証并治第十五

(22)男子黄,小便自利,当与虚労小建中湯。(方見虚労中。)

婦人産後病脈証治第二十一

(4)産後腹中痛,当帰生姜羊肉湯主之;並治腹中寒疝,虚労不足。

(19)問曰:婦人病飲食如故,煩熱不得臥,而反倚息者,何也? 師曰:此名転胞不得溺也,以胞系了戻,故致此病,但利小便則愈,宜腎気丸主之。(方見虚労中。)

中風歴節病脈証并治第五

(9)味酸則傷筋,筋傷則緩,名曰泄。鹹則傷骨,骨傷則痿,名曰枯。枯泄相搏,名曰断泄。営気不通,衛不独行,営衛倶微,三焦無所御,四属断絶,身体羸痩,独足腫大,黄汗出,脛冷。仮令発熱,便為歴節也。

血痹虚労病脈証并治第六

(18)五労虚極羸痩,腹満不能飲食,食傷、憂傷、飲傷、房室傷、飢傷、労傷、経絡営衛気傷,内有乾血,肌膚甲錯,両目黯黒。緩中補虚,大黄䗪虫丸主之。

婦人雑病脈証并治第二十二

(8)婦人之病,因虚、積冷、結気,為諸経水断絶,至有歴年,血寒積結,胞門寒傷,経絡凝堅。

在上嘔吐涎唾,久成肺癰,形体損分。在中盤結,繞臍寒疝;或両脇疼痛,与臓相連;或結熱中,痛在関元,脈数無瘡,肌若魚鱗,時着男子,非止女身。在下未多,経候不匀,冷陰掣痛,少腹悪寒;或引腰脊,下根気街,気衝急痛,膝脛疼煩。奄忽眩冒,状如厥癲;或有憂惨,悲傷多嗔,此皆帯下,非有鬼神。

久則羸痩,脈虚多寒;三十六病,千変万端;審脈陰陽,虚実緊弦;行其針薬,治危得安;其雖同病,脈各異源;子当弁記,勿謂不然。

骨蒸については条文上で存在せず。「蒸蒸」ならば以下の3条文ある。

(101) 傷寒中風,有柴胡証,但見一証便是,不必悉具。凡柴胡湯病証而下之,若柴胡証不罷者,復与柴胡湯,必蒸蒸而振,却復発熱汗出而解。

(149) 傷寒五六日,嘔而発熱者,柴胡湯証具,而以他薬下之,柴胡証仍在者,復与柴胡湯。此雖已下之,不為逆,必蒸蒸而振,却発熱汗出而解。若心下満而鞕痛者,此為結胸也。大陥胸湯主之。但満而不痛者,此為痞,柴胡不中与之,宜半夏瀉心湯。

(248) 太陽病三日,発汗不解,蒸蒸発熱者,属胃也,調胃承気湯主之。

そこで、骨から、比較的深いところからとても暑い状態と判断した。

コメント

タイトルとURLをコピーしました