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心包病としての心包小瀉心湯の病機を経方医学で見渡す

漢方医学

なんと輔行訣には心病者とは別に心包気実者、虚(者)のコンテンツがあるのだ。後日改めて条文解説を書くつもりである。まずは各心包証がどんな世界が見てみよう。

尚、原文は単に小瀉心湯と表現している。しかし区別するため心包小瀉心湯証とすることとした。これは大瀉心湯や大小補肝湯も同様とする。

小泻心汤

治心気不足,吐血衄血、心中跳动不安者方:

黄连黄芩大黄各三两

右三味,以麻沸汤三升,渍一食顷,绞去滓,顿服。

経方医学の瀉心湯から見ていく(江部洋一郎 経方医学4 p211)。

治心気不足

血熱が(心)心包へ伝わる。結果心気が養われず心気不足となる。

吐血衄血

心気不足により血の不統血となり出現吐血したり鼻出血する。

心中跳动不安者方

落ち着きがない者。

仮に脈が跳ねるような感じであるとする。

跳動という表現が不整脈であるとすると、脈は

促脈、結脈、代脈である。

このうち、直接的な心気不足は結脈、代脈のことである。方剤では炙甘草湯ということになる(江部洋一郎 経方医学4 p79)。同様に炙甘草湯は心気不足の側面を持つ。しかし、飛び跳ねるような脈というよりは途切れいるような脈だ。

また、衂血するものはそれこそ金匱要略の胸気吐衂下血胸満瘀血証をの全体を見渡しても、衂を含めて出血する者において脈拍が上昇する条文はない。

よって素直に、「心が落ち着きがない者」と判断した。

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