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東洋医学で予防医学研究は簡単だ

刺絡療法

西洋医学の予防医学

 元々病気にならないようにする。あるいはなる前に治してしまう。つまり未病を治すのが本来の名医の姿である。

 西洋医学において、この概念を具現化したカテゴリは、予防医学がある。健康増進、早期発見・早期治療、再発予防の3つに分類される。詳細は省く。単に概念だけではなくそれぞれの分野でリサーチ、働きかけを行政に組み込まれながら進めている。具体的に見てみよう。例えば外来では健康増進についてをメインで働きかける機会は少ない。早期発見・早期治療ということになる。つまり高血圧症の方が来られれば、脳血管疾患罹患予防のため降圧剤や食事療法を使い、血圧値を調節する。西洋医学でもちゃんと「予防医学」しているのだ。いやむしろ日常診療ではむしろそちらの方が機会が多いとも言える。一度脳卒中になった方に対してリハビリをする、あるいは血をさらさらにする薬を処方するばでもある。これは再発予防ということになる。

東洋医学の予防医学

 予防医学の確立はとても根気が必要で一見地味な作業が必要だ。お金と時間とマンパワーが必要なのだ。疫学的な証明を薄紙を重ねるが如く繰り返すことになる。単に優秀な治療家の個人芸ではほぼ不可能である。ましてや漢方治療そして恐らく鍼灸治療でも患者さん、あるいは対象になる方の性質によってその内容を変えていくことになるだろう。さらに治療家の技術差が途方もない。ますます疫学的な証明が困難となるだろう。

刺絡療法で予防医学確立の足掛かりを

 でも全てがだめだめと言うわけではない。東洋医学で予防医学の研究の足がかりを突き詰めていくと実は刺絡治療が一番手っ取り早いと思えるのだ。

 まず、東洋医学において黄帝大経で上工(腕の立つ医者ということ)は未病を治すということで概念は存在することを前提とする。江戸期の三輪東朔の「刺絡聞見録」に「汚濁すれば必ず凝血す。凝血すれば其の証を発す。発する前には必ず肩背に凝する。其の凝るものを我は主とす。すべて瘀濁の血は肩背に凝る者なり」や「実に肩背に凝血するの毒血ほど害をなすものはなし(刺絡の道 友部和弘著)」とある。今年の刺絡学会において友部先生には色々とご助言を頂いた。これもその一つである。何かと言うと特に明らかな症状が無い場合も刺絡を行うということ。アドバイスとして全指の井穴刺絡と肩背の皮膚刺絡をするのだ。お互いにやりあっているという友部先生ともう一人のお方は、お二人は若々しくてはつらつとされている。但し現時点ではエビデンスレベルとして現時点では最弱だ。このエビデンスレベルを上げるのだ。

私が夢想する刺絡療法研究プロトコル

 エンドポイントを主観的な症状の他、例えば血圧値を確かめたい。機序は単にリラックス効果ではない。行血は基本的に動脈系が主り行き届いている。しかし還流の静脈やリンパ系が滞りやすい。よって血流を保つために行血つまり血圧を高くする傾向がある、という説明を刺絡治療では仮説として持っている。その滞りやすいの部分がまさにこの肩背なのだ。

 ということは定期的なこの部分の施術は結果収縮期血圧の降圧作用があってしかるべきだ。

 対象者にほぼ画一的な施術となる。治療者間に大きな技術的な差はない。エンドポイントはアンケートと血圧計だけだ(血圧測定は西洋医学研究の標準的な方法を採用する必要があるがここでは紹介を省く)。

 刺絡学会で話す機会があれば簡単なプロトコールを紹介しようと思う。

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