OmniFocusを眺めてあらためて漢方の扱いを思う。
そういえば数年前「香葛湯(こうかつとう)」とinboxに書いた。
このクスリは夏風邪に効く。
その後香葛湯は「いつかやる」フォルダにすぐに移した。
勿論GTDに則って、いつかやろうと判断したからだ。
しかし「いつか」はともかく、何をやるのかを決めずにこのリストに入れた。
予想通り、それからいつかやるリストに香葛湯はずっと居続けている。
ずっとあるので既に風景である。
消えないけど何とか解決したい気持ちは後回しになっていた。
私のTODOリストにはよくある光景だ。
思えば私は漢方医だ。
当然普段漢方についてあれこれ思索している。
あるいは本を読んでこれはと思う方剤や方意を覚える。
いやそれは正確ではない。
本来記憶しておくべき方剤や方意について頭が足りてないのでなかなか覚えられないことが多い。
中でも辛いのは、頭にふと思い浮かんだことはそのままふっと消えることだ。
だからメモなどで残すのだ。
しかし本当に思い出したい時当該アイデアが書かれたメモに、再びたどり着くのは難しい。
たどり着けるのはたまたま。偶然に用もないときに、メモがひょっこりでて来る感じ。
まさにそれはよく言えばセレンディピティ、実際はアクシデントに近いレベルでの再会である。
だからこれまでそれはここまでデジタルの整理術がツールが発達しても行き当たりばったりであった。
しまいにはやけのやんぱち。どうせ覚えられない、あるいは有効活用できないと思ってしまい、香葛湯のようなTODOがいつかやるリストに残ってしまうのだ。
しかしここ数ヶ月で私の整理術は少し進歩した。その視点から改めて眺めてみる。
香葛湯を私はどうすれば良いのか。
具体的には何をすれば「香葛湯」というTODOのチェックボックスを消せるのか。
香葛湯を適応す患者さんに処方出来ればよい。
これにつきるのだ。
簡単に言うと私見として夏カゼに適応ということになる。
言うのは簡単だがこの情報をどのように生かしていこうか。
結局やることといえば、記憶、メモ、そして、Scapboxに収斂される。
まずは記憶だ。頭が足りなくても認知消費リソースを節約するため最低限記憶すべき。「夏風邪の一処方、香葛湯」は記憶する。あるいは夏前に想起できるようにOmniFocusにセットするのもいい。香葛湯の名称はチャンクになり、検索の起点となり得る。これは外せない。一方創薬したのが辻本菘庵とか、勿誤薬室方函口訣に書かれているなどとまでは記憶せずともいい。少なくとも私には不要だ。
次にメモすべき事。香葛湯でいえば配薬である。葛根、桔梗、紫蘇葉、陳皮、香附子だ。記憶不要である。記録したメモを見れば良い。あるいは電カルにプリセットすればいい。香葛湯で検索すれば良いのだ。
そしてScrapboxへ入れる内容についてだ。上記の内容は勿論入れる。勿論そのままではない。ノートはなるべくアトミックノート、ノートを成長させるエバーグリーンガーデンを続ける前提にある。そして問題はそれら以外だ。
それは何か。
まさにアイディアだ。これはメモしても検索できない。実際に私の得たアイデアはこれだ。
温熱剤を避けたいときの宣散薬の配薬を「アイディア」として記録。配薬の工夫だ。
配薬で紫蘇葉、桔梗、葛根。
香葛湯などを元に考えたことを附記。
これは確かにダイレクトな検索は無理だ。
セレンディピティで意図的に当該アイデア引き当てる仕掛けとして色々とリンクを張っておく。
ようやく香葛湯という名のTODOを終えることが出来た。
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