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私の経方医学2023年

漢方医学

 私が師事した先生が亡くなってから数年が経ちました。その間、私自身がどのように経方医学に向き合っていくかについて深く考える機会となりました。

 師匠が『神農本草経』と『名医別録』を基にして展開した傷寒論や金匱要略の条文の解釈は、経方医学の核心をなすものです。この方法論を理解することで、生薬処方の簡便性と有効性が高まります。

 但し経方医学理論は、現代の漢方医学や中医学とは異なる特異な側面を持ちます。率直に言えば、経方医学は漢方治療の秘訣です。チートです。そして、一度理解すれば、簡単明快です。さらに、経方医学の視点から従来の漢方医学や中医学を見直すことで、より深い理解が得られます。しかしその一方で、経方医学を理解していない者にとっては、それが難解で、避けたくなるトピックかもしれません。

 以前、経方医学を受け継ぐためには、その理論の根拠を証明する必要があるというご意見をうかがいました。確かに、2000年以上の歴史を持つ伝統医学では、理論のルーツを古典に求め、文献によって根拠を示すことが重視されます。しかしそれは師匠が長年かけて経方医学を構築する際にも行われました。

 だから、もう私がやらなくてもよいでしょう。そんな暇があったら私は経方医学の実践的な効果を享受したい。患者さんを治し尽くしたい。そういえば確かに古典を読んでいるうちに経方医学理論のパーツを見つけることがあります。なんとこんなことまで師匠は読み込んでいたかと驚く事があります。懐かしく思います。まあそれだけです。

 もう一つ興味があることは、経方医学を次世代に伝えることです。ただこの道のりは決して容易ではなく、意図的にできることでもありません。私にその役割、あるいは運命的な出会いがあるかどうかも分かりません。

 当面は、その治療知見を共有することで、漢方医学の発展に寄与したいと考えています。また、輔行訣を経方医学の解釈で読み込んで漢方治療の血肉にしていきたいと思っております。

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