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石川県の被災に今私がしていること

雑記

 かつて東日本大震災のまさにその時、私は近畿にいた。

 岩手には両親や同期の友人、沿岸部にはとても親しくしてくれた人たちが住んでいた。当然連絡なんて取れない。
 私はいてもたってもいられなかった。しかし我に返ると、目の前に外来予約してくれた多くの患者さんがいた。二桁の入院患者さんがいた。
 そんな中で全てを投げ打ってでも行きたい衝動を抑えながら仕事をしていた。正直に言って少し上の空のところもあった。

 そんなある日の正午、着任間がない医師が突然私にくってかかった。その方はまだ外来患者も入院担当患者も多くはなかった。そして歯をむき出し、口角に泡を飛ばし私に怒鳴るように言った。
 「こんなときは真っ先に助けに被災地に行かなきゃ医者としては失格だ!」

 この言葉に私は目が覚めた。

 その後の私は目の前の患者さんに集中することにした。
 一方この医師はたまたま近畿からボランティアとして行った医師として新聞に写真付きて載った。残った私たちはその医師の、少ないものの、外来や入院患者さんの代診をした。まるで当然のように私にも割り当てられた。

 数日を経て戻ってきたその医師からは代診についてお礼の言葉はなかったと記憶している。まるで英雄のように振る舞っていたのが印象的だった。

 正月から我が同胞たちが直面した被災。今こそ私は心に平安を保ち、生活をしっかりと生き、目の前の患者さんを大切に治療し、自分を高めて続けていく。

 もし声がかかったら、役割を果たす。心を被災地に心を寄せながら大切な毎日を生きていきたい。

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