オートファジーはダイエット法によく結びつくようだ。ネットで検索すればそれこ竹の子の如く記事がヒットする。またAmazon kindle Unlimitedで無料貸し出し本もタイトルに入りやすいお馴染みの言葉になった。私自身も16時間断食本で知った。だから私にとってオートファジーの導入は浮ついた、ミーハー感100%だった。だから地に足が着いていない感じがしてブログにもTwitterにも「オートファジー」という言葉を投稿できなかった。それに実際数多くの原著論文はとても各々が断片的すぎで、理解するための専門用語も馴染みなく放置していたからだ。語るほどの自信が私にはなかった。
冗談じゃないなと思えてきたのはmTOR(mechanistic target of rapamycin)を知ってからだ。mTORを最初に「ムトゥ」と読んでしまい、いまだにインド映画名作「踊るマハラジャ」の主人公の顔が浮かぶ。
冗談はさておき、mTORとは増生(医学用語では同化)を誘導するタンパク質複合体だ。これが私が読む複数の分野でそれぞれの立場でmTORが登場しているのだ。それは長寿、筋トレ、ダイエット、糖尿病予防治療などである。
つくづく思うのだけど、ヒトの代謝で一方的に良いあるいは悪いということはないのだなと思えた。
mTORを中心にまとめると以下の通りになる。
mTOR活性 (=オートファジー抑制)
筋トレしてモリモリタンパク質を食べて筋肉モリモリ、脂肪もマシマシ。エキセントリックトレーニングはコンセントリックよりも mTOR活性するという(筋トレ革命 エキセントリックトレーニングの教科書 野坂和則、 坂詰真二 形式: Kindle版p37)。
mTOR抑制 (=オートファジー活性)
断食、脂肪燃焼(脂肪を減らす)、癌予防の可能性、アンチエイジングや長寿の可能性。
まさにmTORとオートファジーは表裏なのだ。癌予防やアンチエイジング長寿とmTOR活性の研究は最近の流行りのようだ。
蛇足ながらこうみると、筋肉を増生しながらダイエットは少し難儀であることがよく分かる。
では、このmTOR活性を抑制するにはどうするか。それはインスリン、インスリン様成長因子の影響を断つことである。
ここまで来ると、1つの綺麗な流れができあがる。
即ちダイエットとはmTOR抑制、オートファジー活性を素直に受け入れることである。
インスリン分泌の影響を断つ、といってもゼロになればI型糖尿病になる。そうではなくてインスリン抵抗性を低下させることで分泌量を下げるのだ。するとmTOR活性が抑制される。
では、インスリン抵抗性を下げるにはどうすれば良いのか。1つは断食であり、糖質制限食、(私は否定的だが)カロリー制限食であるという(SWITCH(スイッチ)オートファジーで手に入れる究極の健康長寿 ジェームズ・W・クレメント ら(著)p83)。
現在実施している間欠的ファスティングが方向性として間違えではなかったと安堵している。また、カロリー制限食がなぜ、mTOR抑制に繋がるのか興味深い。
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