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断食とバルクアップは相容れない

筋トレ

 間欠的断食は、体重減少や代謝改善に有効な食事法として注目されているが、筋肉増量を目的として行うには、必ずしも適した方法ではない。むしろ、除脂肪体重(主に筋肉量)の減少をいっぱいに食い止めることが精一杯、という理解が現状のエビデンスに基づいている。


間欠的断食と筋肉量の関係性:増量は困難である

間欠的断食に関する多くの研究は、以下のような結論に至っている。

  • 筋肉量の顕著な増加は期待しにくい: 複数の研究、例えば時間制限摂食(8時間摂食:16時間断食)に関するシステマティックレビューとメタアナリシスでは、除脂肪量の変化に有意な差は見られなかったと報告されている。これは、間欠的断食が直接的な筋肉量の増加に繋がりにくいことを強く示唆している。
  • 除脂肪量の「維持」が主な焦点: 間欠的断食に関する研究の多くは、体重減少や体脂肪の減少と共に、いかに除脂肪量を維持するかという点に焦点を当てている。24時間未満の短期間の断食であれば、毎日のタンパク質摂取量を増やす、成長ホルモンの増加、ケトン体の利用増加などにより、除脂肪量を維持できる可能性が指摘されている。しかし、これは「増量」とは全く異なる目的である。
  • 筋負荷の重要性: 間欠的断食中に筋肉量を維持するためには、筋力トレーニングによる適切な筋負荷が不可欠である。急性的な空腹時の運動が筋肉タンパク質の分解を誘発する可能性も示唆されているが、全体的な除脂肪量の維持には、定期的な筋力トレーニングによる刺激が重要な役割を果たす。しかし、これは筋肉の「増量」を意味するものではなく、あくまで「損失の予防」としての効果である。

 さらに、動物モデルにおける研究では、間欠的断食によって望ましくない脂肪量の増加や高インスリン血症が観察されたケースも報告されている。これは、筋肉量の増加を目指すどころか、体組成の悪化を招く可能性も示唆している。


筋肉増量を目指すなら別の戦略を検討すべきである

筋肉を効率的に増やしていくためには、筋肉の合成を促すための適切な栄養摂取(特に十分なタンパク質とカロリー)と、計画的な筋力トレーニングが不可欠である。間欠的断食は、カロリー摂取期間が限られるため、筋肉増量に必要な総カロリーと栄養素を確保することが難しくなる。

 ま、当たり前だ。

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