小白虎湯の配薬は白虎湯。そしてその条文は白虎加人参湯であった。
条文を再掲する。
小白虎湯
治天行熱病,大汗出不止,口舌乾燥,飲水數升不已,脈洪大者方:
石膏如雞子大,綿裹知母六兩甘草炙,二兩粳米六合上四味,以水一斗,先熬,粳米,熟訖,去米,内諸藥,煮取六升,溫服二升,日三服。
白虎湯と白虎加人参湯の差は経方医学4p239に症状や四診での差異が一覧されている。
人参の有無の差は胃熱により胃津がどれだけ消耗したかによる(経方医学4p239)。
しかし胃津の量は10?7?半分?それとも1?なんてそれが四診でわかり得るだろうか。
それで人参の投与量を判断できるだろうか。
また、白虎湯あるいは小白虎湯適応の方に人参を入れて、不都合はあるだろうか。
張仲景は伊尹の湯液経から小白虎湯を引用するにあたり、胃熱が燃えさかる証として適応を狭めて、臨床上極早期に白虎湯証を定め直したのであろう。つまり胃熱が燃えさかり始めにさっと使う。少し進行したら人参を加える。そして小白虎湯証では確実に治すため、人参を加えたのではないか。
漢方は常に工夫が必要だ。後に張錫純が粳米の代わりに山薬を用いたり。
私としては自分の外来では極早期の白虎湯証が来ることは希であろう。基本人参は配薬する。希に来る極早期の場合は普段入れている人参を去る。この方針でいこう。
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