抄録の内容がついに決定した。経方医学研究会での発表についてだが、ルールは「1つの発表につき症例は1つ」とのこと。 持ち時間はトータルで30分。内訳は発表15分、質疑応答15分だという。
なげー。正直、長い。 まあ、そうする条件と言うことだから仕方ない。
実は、既に4つほど症例を用意していたのだが、全てゼロからやり直すことにした。 どんなものかと、改めて候補の症例を見回してみる。
あっさりと治った症例は、場が持たない。 かといって、時間がかかる複雑な症例は、説明が冗長になるから、見る側はともかく私が飽きてくる。
帯に短し襷に長し。ちょうど良い症例はどれか。 ……あった。 「参俉不調(さんごふちょう)」を呈し、その症状から昇陥湯(しょうかんとう)の加減で治療した症例だ。
参俉不調とは、脈状が一定しないことである。 字面では分かっていても、ただその本意が分からず、この症例に出会ってはじめて「なるほど」と納得した、というテーマだ。 結局のところ、脈診をしっかりしていないと、見逃す以前の話になる。
よし、これでいこう。


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