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【輔行訣2】前文と肝病者

刺絡療法

まずは輔行訣5臓腑の大小補寫を挙げ、経方医学で読み解いていく。

輔行訣全体の前文は以下の通り。

辅行诀脏腑用药法要

梁·华阳隐居陶弘景撰

隐居曰:凡学道辈,欲求永年,先须祛疾。或有夙痛,或患时恙,一依五脏补泻法则,服药数剂,必使脏气平和,乃可进修内视之道。不尔,五精不续,真一难守,不入真景也。服药除疾,虽系微事,亦初之要领也。诸凡杂病,服药汗吐下后,邪气虽平,精气被夺,致令五脏虚疲,当即据证服补汤数剂以补之。不然,时日久旷,或变损证,则生死转侧耳。谨将五脏虚实证候悉列于左,庶几识别无误焉。肝虚则恐,实则怒。

意訳すると以下の通りである。

梁の時代の、華陽隠居である陶弘景が著す

道教を学ぶ者が永遠の命を求めるならば、まず病気を治す必要がある。生まれつきの持病がある者も、その時々の病に悩む者も、必ず五臓の補瀉の法則に従い、薬を数回服用して、五臓の気が穏やかになるようにすべきである。そうして初めて、瞑想の内観の道に進むことができる。

そうでなければ、五臓の精気は続かず、真一(※真の自己や宇宙の根源)を保つことは難しく、真の境地には入れない。薬を飲んで病を取り除くことは、些細なことのように見えるが、初心者にとっては非常に重要な要点である。

あらゆる雑病において、薬を服用して発汗、嘔吐、下剤による治療で邪気が取り除かれても、精気も奪われ、五臓が虚弱で疲弊することがある。そのような場合は、すぐにその症状に合わせて補うための薬を数回服用して補うべきである。もしそうしなければ、時間が経つにつれて病状が悪化し、生死の境をさまようことになる。

ここに五臓の虚実の証候をすべて左に列挙する。これにより、識別を誤らないように願う。

肝臓が虚していると恐れを感じ、実していると怒りを感じる。

道教というところからして、陶弘景の記述なので、話半分とする。志はよろしい。

さてまずは、肝病者から。でも陶弘景の解説は略。

辨肝脏病证文并方

肝病者,必两胁下痛,痛引少腹。虚则目䀮䀮所见,耳有所闻,心澹澹然如人将捕之。气逆则耳聋,颊肿。治之取厥阴、少阳血者。邪在肝,则两胁中痛,中寒,恶血在内,则善,节时肿。取之行间以引胁下,补三里以温胃中,取耳间青脉以除其瘈。

 

意訳すると以下の通り。

肝臓を患っている者は、必ず両脇の下が痛み、その痛みが下腹部まで響く。虚証の場合、目はぼんやりとして見えにくく、耳は聞こえ、心はソワソワして、まるで誰かに捕らえられそうな感覚になる。気逆の場合、耳が聞こえなくなり、頬が腫れる。治療には、厥陰経と少陽経から血を抜き取る。

邪気が肝臓にあると、両脇の中央が痛み、寒気がし、体内に悪い血があると、時々関節が腫れる。治療には、行間穴に鍼を打って脇の下の邪気を抜き取り、足三里穴を補って胃の中を温め、耳の後ろの青い血管から血を抜き取ってひきつけを取り除く。

刺絡を思わせる治療だ。ここを翻訳したのは初めてである。これからが楽しみだ。

 

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