私の最初の断食は20歳の時。習い始めの古武術を極めるために感覚を研ぎ澄ませたいという、青臭い動機からであった。まあそれ以外、当時医学生で貧乏だった私には食費を減らすという下心も実はあった。ということで断食は昔から馴染み深い。
断食というと、医学的に寿命を延ばし病気予防の観点でそれが正しいからという主張の本はこの一年で結構読んだ。例えば「医者が教える健康断食」をはじめとするジェイソン・ファン氏の著書は4冊読破した。そしてジェームズ・W・クレメント氏の「Switch」。有名な青木 厚氏の「空腹こそ最強のクスリ」。これらの引用文献をさらに読破し印象深い知見はCosenseに残し、出番を待っている。
これらの文献はお互いあまり矛盾無く主張も共通することが多い。しかし1つどうしても私の意にそぐわないと言うか、現実離れしていることがあった。
それは何か。世俗的とは言い難いのだ。
なんのことかというと、そもそも人間はより自由に欲望のままに生きたいという本質がある。その中で断食というものを組み込むためにはそれがそれまでの欲望と同じく、それが快楽に近い欲求を満たす必要がある。そうでないと多かれ少なかれ断食とは制限が多い、食べ過ぎに対する自分への罰のためのひとときになってしまう。
ダイエットの大原則。それは一生続けたくなる内容であること、である。自分への罰のような断食は決して続けられない。だから私は自分の生活に、あるいは筋トレ、杖道、当直などに工夫して組み込もうとして四苦八苦していた。しかし実際は上手くいっているとは言い難かった。16時間を超える断食で、空腹感から完全に離れることがなかったのだ。とても辛かったのだ。
そんな中で「シリコンバレー式 心と体が整う最強のファスティングデイヴ・アスプリー (著), 安藤 貴子 (翻訳)」の内容はとても素晴らしい。ざっくり言うと、たくさん食べたら食べないということなのだ。そして魅力的な著者の自験例をここに挙げておく。断続的断食をしつつ1日4500Kcal食べ、運動を中止し、睡眠時間を5時間を一ヶ月続けたらむしろ体重が減ったというのだ(食事摂取カロリーが4500Kalは断続的断食していない時ということだろうなと解釈している)。私が自分の生活に取り入れようとしたことが既に他人が実践して本にしてしまっている。これをマネしない手はない。
今7割方読破している。著者の主張する断食を実践する準備をしながら淡々と読み進め、Cosenseに書きとめたい。
コメント