胃苓湯は平胃散と五苓散の合剤に芍薬を加えた配薬である。
平胃散は陳皮、甘草、生姜、大棗、厚朴、蒼朮。五苓散は桂皮、茯苓、白朮、猪苓、沢瀉である。蒼朮、白朮がやや共通。散剤であることが共通である。これに芍薬を加えて、湯液にすると胃苓湯になる。適応は
胃部不快感からさらに下痢症状が強かったり吐き気を伴ったりする時使用する。
さて、ここで芍薬は伊達や酔狂か。
いやそんなことはない。そこで再びエキス剤の歴史的経緯についてはこれ以上無い「古典に生きるエキス漢方方剤学(小山誠次著 メディカルユーコン)」 の平胃散の項(同p9-)を読み耽った。
結局芍薬入れる入れないはどちらもあり得る。結論から言うと瀉しているものに適応するとしてそれが腹痛を伴う場合、芍薬を加えると理解した。香月牛山は赤痢を治すのに黄連、芍薬を加えて加味胃苓湯と名付神効を得たという。
相変わらず漢方は自由だな。
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