杖道最後の一手

　最後の最後、乱合の最後。

杖先を床に付けてやや左下に置く。

太刀が振り上げて、降ろす。

技の名前は、知らない。

そこで杖を右に振り上げて太刀をばちっと弾く。

太刀が弾かれて、太刀側から見ると左側にあるうちに、相手に杖を心下に打ち込む。

恐らく、上段は勿論突きや下段からの切り上げなど、これ一手で全てに対応できるだろう（と思う）。

では、最初からその一手だけで良いではないか。

いやそんなことはない。

杖道のそれまでの型を知らなければ、タイミングや間合い、打ち込む際の打ち方の全てが、何から何まで分からないだろう。

杖道ってやつは元古武術だけあって一手一手、型やりがいがある。