以前小青竜湯それもエキス剤で事も簡単に頭痛が治った。これは自験例ではなく、脳神経外科の処方であった。その診断と治療に関心した。しかしその医師と直接面識はない。それを経方医学的にどのように解釈して良いかよく分からないでいた。
現時点での意見を伝える。
まず手持ちの小青竜湯加減で頭痛を治療した報告を見つけることが出来なかった。
ただ解釈の方法の片鱗はある。
やはり心下有水気であろう。経方医学を紐解くと心下有水気とは心下の飲の貯溜である(経方医学3 p51)原因は胃気と腎気が不足して心下に飲が貯留しする病態である(経方医学3 p51)。胃気が弱いので守胃機能は失調してしまう。その結果条文上喘や乾嘔などが生じる。そのルートは直達路である(経方医学1 p81)
心下に飲があるとき、そしてそれと同時に胃気が一定以上ある病機があればどうか。つまり、心下有水気の原因が胃気や腎気が不足が原因でないとしたら。それならば頭部まで胃気が及んでもおかしくない。
だいたいその患者は13歳女性でソフトボールで活躍する位だから、普通以上に胃気はあるだろう。私自身診察していないから、何とも言えない。胃気が十分あるのにも関わらず何らかの理由で心下有水気となり、それが頭に守胃されない胃気が直達路を通じて達したと考えた。それに対して小青竜湯が有効であったのだろう。
次は、胃気が十分なのに心下有水気が出現する病機を検討しよう。
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