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【輔行訣】小玄武湯を経方医学で読む

漢方医学

小玄武湯は真武湯に近い。違いは真武湯が生姜に対して当方は乾姜であることだ。

条文を挙げる。

小玄武湯

治天行病,腎氣不足,內生虛寒,小便不利,腹中痛,四肢冷者方:

茯苓三兩芍藥三兩白朮二兩乾姜三兩附了一枚,炮去皮

右五味,以水八升,煮取三升,去滓,溫服七合,日三服。

意訳

天行病

外感病

腎氣不足

素因として腎気不足

內生虛寒

気陰両虚で陽がより少なく、虚寒(陰も少ない)

小便不利

尿も少ない

腹中痛

お腹が痛む

四肢冷

手足が冷たい。

 小玄武湯は傷寒論の真武湯に近い。真武湯は傷寒論82、316条である。

生姜と乾姜の違いがある。

 経方薬論を見ると生姜は制吐作用があるくらいであり、生姜乾姜の間で区別して使い分けることはしなくて良さそうだ(経方薬論p21,22)。現在の私がそうであっても後年こだわりを持って方意を見分けていきたい。

 病機を検討する。外感病で胃気が消費している。胃や心下の飲が出現している(経方医学3p146)。心下の出入りが不利して、湿が肌肉にたまる。脈中の血の運行が失調し、小腸絡を養わず腹痛が出現する(経方医学3p146)。胃気不足で腎気を養えず。腎虚があるので膀胱の開闔失調があり小便不利(経方医学3p146)。また胃腎とも陽虚があり(経方医学1p21)、衛気(経方医学1p37)も届かず四肢の冷えがある。

治方は、真武湯証そのものの治方を参照する(経方医学3p147)。附子乾姜で胃気を鼓舞する。附子で腎気を補う。芍薬で胃気が腎へ繋がる。腎気が回復して膀胱の開闔失調が治す。よって小便不利が治る。心下を朮で捌き茯苓で絡の余分な水を捌く。芍薬で肌肉の水を還流させる。鼓舞された胃気、芍薬、余分な水が除かれて脈中の血が疎絡されて腹痛は治する。胃気腎気が戻り、四肢に充分衛気が届き冷えが治る。

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