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ネフローゼ症候群の漢方治療覚え書き

漢方医学

 私のネフローゼ症候群治療は腎不全治療とともに師匠の処方方針に依存することが多い。その範疇を超えることができない。よって未だに私は師匠を超えることができていない。
 先日ネフローゼ症候群の方が受診された。ここに一応処方方針のまとめを記す。あくまで私の解釈なので、師匠に改めてうかがうことができない。もしより良い経方医学での治療についての解釈があればアドバイスが欲しい。
 経方医学においてネフローゼの原因は主に2つとなる。一つは第一分別分別の失調、もう一つは腎の開合失調である。
 第一分別とは、中医学で言えば昇清降濁ということになる。経方医学1p34で解説されている。飲食物や体内で産生された気津はこの分別必要な清が回収され、不要な濁は第二分別へ向かう。ネフローゼ症候群ではこの部分がうまくいかず精微が下陥し、必要なタンパク質まで第二分別に降りてしまう。
 腎の開合失調は腎気虚の一種で、腎の収斂機能が低下している状態。ネフローゼの場合は漏れてはいけないタンパク質が降りる、と解釈する。
 ネフローゼに対する治療は一次分別で分別、昇清するような生薬を配する。白朮や萆解の他、例えば桂皮や黄耆などがそれである。升麻も可。
 また、腎の開合失調の治療は腎の気化を高めていく。八味丸あるいは六味丸加減補腎しつつ収斂剤を配薬した。例えば六味丸に入っている山茱萸や五味子、芡実、補骨脂を使用する。
 これ以外の部分はご本人を診察して決めていく。

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