聞いたことがある方剤名である。これは麻黄湯である。
傷寒論金匱要略の小青竜湯とは異なる配薬なので、混乱を避けるため輔行訣小青竜湯とする。
では、条文を見る。
小青龍湯
治天行發熱、惡寒,汗不出而喘,身疼痛,脈緊者方:
麻黃三兩杏仁半升,熬,打桂枝二兩甘草炙,一兩半
右四味,以水七升,先煮麻黃,減二升,掠去上沫,内諸藥,煮取三或,去滓,溫服八合,必令汗出徹身,不然恐邪不尽散也。
意訳する。以下の症状の者を治す。
天行發熱
外感病で発熱
惡寒
悪寒
汗不出而喘
汗が出ないで喘鳴
身疼痛
体が痛む
脈緊
緊脈
経方医学で病機を察すると
経方医学2のp100から麻黄湯について詳細に記載されている。
麻黄湯すなわち輔行訣小青竜湯証の基本的な病機は、
寒邪が皮と腠理に外束して皮気が流れない。鼓舞した胃気が皮の衛気へ到達し難い。胃気は皮の衛気に行けずに肌気や脈外の気へ流れる。発汗は困難なため肌気に鬱熱する。これが肉、筋、骨に至り痛みとなる(ここまで 経方医学2のp102)。過剰な胃気は肺に昇り喘となる(ここまで経方医学2のp112)。
輔行訣小青竜湯証の治方としては、以下の通り。
甘草で胃気を守り、守胃する。また麻黄で衛気を走らし、桂皮で腠理の邪を押し出して解表する。喘が存在するので宣散粛降を促進させる。宣散は麻黄桂皮で走らせる。杏仁は粛降を行う(ここまで経方医学2のp123)。
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