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心包大補心湯の病機

漢方医学

心包病の大補心湯証と治方の条文を示す。

大补心汤

治心中虚烦,懊怔不安,怔忡如车马惊,饮食无味,乾呕气噫,时或多唾,其人脉结而微者方:

代赭石烧赤,入酢头中淬三次,打(一方作牡丹皮,当从)旋覆花、竹葉各三両、豉(一方作山萸肉,当从)、人参、甘草、乾姜各一両

右七味,以水一斗,煮取四升,温服一升,日三夜一服。

心中虚烦

心煩は苦悶感のこと。虚煩は無形の邪が引き起こした心煩(傷寒雑病論字词句大辞典 王付編著 学苑出版社2005年)。経方医学では梔子湯類で治療(経方医学4 江部洋一郎著 東洋医学出版社 p70)。

懊怔不安

不快な動悸と不安感がある。但し心包病の虚証は「悲み」(後日後述)なので、これは動悸症状に対して不安がある、と解釈する。

怔忡如车马惊

馬車の様な動悸

饮食无味

飲食味はしない

乾呕气噫

吐き気やゲップ。

时或多唾

時にあるいはよく唾が出る

其人脉结而微

結、微脈

 結脈。経方医学では脈数ではない不整脈(不規則に停止)で(経方脈学 江部洋一郎 東洋医学出版社 2014 p84)、心気陰不足、虚労、肺痿で見られる(同p84)。また、微脈は虚証故、この場合陰陽両虚と判断できる(同p83)。

 胃気虚があり、守胃できない。上逆してゲップや吐き気が出現する。心下に飲がたまり(経方医学3 江部洋一郎他 東洋学術出版 2015年p51)結していて、唾となって出てくる(同60)。胃気が胸に充分及ばず、また肺から心へも充分及ばない。胃熱は可能な範囲で鼓舞するも胃気不守で熱は胸に及び、無形の熱を生じる。いよいよ胸は心包を養わず、心包は心を養えない。心の気陰両虚で動悸症状が出現する(経方医学2 江部洋一郎 東洋医学出版社 2006年p41)。よって心包小補心湯と同様で動悸症状発症に関して炙甘草湯証に近い病機がある。

 ここでお詫び。「饮食无味」について、ポイントとなる症状だと思う。しかし経方医学について傷寒論97条小柴胡湯で「嘿嘿不欲食」程度。味がしない症状に対して特に病機が明らかではない。今後改定する可能性はあるも、今回は、「そういうものだ」とだけしておく。

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