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【晩夏】うまい水は日陰の夏でハマる

雑記

 束の間の幸せという言葉がある。それはそれまでの不幸から、その後来る大きな不幸の狭間で切り取られた時間と空間のこととして用いられると私は認識している。今回、誤用かもしれないけど私はその言葉をその前後の不幸なパーツを取り除いて使うことにする。といのも私は超幸せとは言えないもののそれほど不幸ではないからだ。そして幸せな気持ちに時間の長短や空間の大小、ついでに言うと金銭の高低はないと思えるからだ。

 ビールは美味しい。暑い時こそキンと冷たい喉越しがたまらない。それが胃に落ちていくうちにその冷気が消えていく感覚も味わいの一つ。それとは別方向に熱くなった顔を冷ましていく。これも味わいである。「かー!このために生きているなー。」と声を出したり、心で呟いたり。

 でも今年ははだめだ。暑すぎて、外で飲もうという気になれない。強い熱源で照りつけた空気は、まるでガラス工房でガラス細工を作ろうと炉を睨みつけるような時に浴びるような熱波だ。太陽熱以外、私を取り囲む全方向から輻射熱を浴びるようだ。

 ところが太陽光から屋根一つ隔ててみると、灯りは落ちるが、いつもの残暑の面影が体を包む。今年いつもの夏はここ日陰にひっそりと佇んでいたのだ。

 私は通勤鞄に水筒を入れる。いつもコーヒーを入れている。夏になると、氷を入れたアイスコーヒーを用意する。もちろん今年も例外ではない。朝起きると氷とアイスコーヒーを水筒に入れる。そして帰る頃には勿論跡形もない。そのままだと空の水筒を持って帰ることになる。

 実は帰りの駅、電車が来るまでのひと時、大凡10分強の間、気持ちが良い夏を味わえる。そう。酷暑の日陰だ。こんなところにいつもの夏が潜んでいる。まさにここでビールが合う。でも復路は車を使うので酔ってられない。残念だ。そこで、アイスコーヒーを入れていた水筒に冷たい水を入れる。医局には業者が定期的に交換しにきてくれる、水道フィルターが装備されている。そこから美味しい水を注ぐことができる。ありがたい。私はそれをポットに入れて冷蔵庫で常に冷やしておいている。だからそれを帰宅前に750mlの水筒に8割程度移し替えて満持ち帰る。

 そうして、駅で束の間の幸せに浴すのだ。

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