毎日午前7時にブログ更新

弦脈の強弱で鑑別可能か

漢方医学

弦脈は当たり前に現れるので厄介である。

例えば肝陰虚と腎陰虚。この二つの鑑別をどうすれば良いか。

特に、脈状における鑑別ポイントはあるのか。

教科書的な鑑別としては、本来「腎陰虚に弦脈(げんみゃく)はない」とされる。

しかし、実際は脈証だけで決めることはできず、結果として症状から鑑別するしかないことが多い。

師匠曰く、「現代人はストレスが多く、誰でも弦脈が出ることが多い」。

だから、弦脈があるかないかで病機を鑑別するのは、まず当てにならないのが現実だ。

そもそも弦脈とは、脈の方向に働く張力を指す。原因はストレスだけではない。痰飲(たんいん)などでも現れる。

そうは言っても、実際の脈診では、尺脈を除いてどこもかしこも弦だらけ、ということが珍しくない。

ならば、弦脈の「強弱」で鑑別してはどうか。

強い弦、弱い弦、中くらいの弦……といった具合に分類するのだ。

しかし、そこまで主観的な切診に、果たしてどれほどの意味があるだろうか。

仮にその分類を採用するとしても、結局は「病機を構築し、処方し、効果があれば正解、無ければ一旦引っ込める」というプロセスを繰り返し、地道に症例を重ねていくしかない。

あるいは、もう一つの手として「弦脈は見ない」と割り切るか。尺脈(腎の部位)においてのみ弦をとる、というスタイルはどうだろう。

いずれにせよ、脈診には未だに悩まされ続けている。

しかし忘れてはならないのは、「脈診のための脈診」になってはいけないということ。あくまで病機を見抜くための「一つのツール」である、という立ち位置を保ちたいものだ。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました