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久しぶり見た甘麦大棗湯頓服

漢方医学

甘麦大棗湯という方剤がある。

金匱要略の婦人雑病脈証

婦人蔵躁,喜悲傷欲哭,象如神霊所作,数欠伸,甘麦大棗湯主之。

である。

経方医学6p130で方剤の解説をしている。

婦人臓躁、しばしば悲しんで泣かんと欲し、そのありさまはまるで神霊の為すところの如く、また翌アクビをして背を延ばす仕草をする者に適応する。

  臓躁は不思議な病態だ。臓が乾「燥」するわけではない。あくまでも躁うつ病の躁の字があてがわれる。

臓躁肺、肝、心、脾と関わる。経方家が盛んだった3世紀頃のチャイナ大陸では常識だった病機は、その後の戦乱で失われたのだろうなと思える。私は症状で対症療法的にこの甘麦大棗湯と百合地黄湯で使い分けることにしている。再度臓躁に関してはまとめるチャレンジをしてみたい。

ところで先日四〇歳代で肝気虚の方が受診されていた。肝気虚の処方をしたその翌日、職場の上司から受けた言葉にショックを受け大いに泣いて受診。ところが他院で頓服として処方された甘麦大棗湯エキス剤を飲んだら、診察しているうちに良くなり、特に何の処置もせずに帰って行った。

以前師匠が両極性障害の方の治療でやはり頓服で興奮した時に甘麦大棗湯エキスを使っていたことを思い出した。

うーん。久しぶり見たけど結構なパワーだな。

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