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調中補心湯の病機治方を経方医学で解く

漢方医学

2つ目調中補心湯である。

条文あげる。

心劳脉极、心中烦悸、神识慌惚方:

旋覆花一升、栗子打去壳十二枚、葱叶十四茎、豉半斤,栀子十四枚打、人参三两,切

右方六味,以清酒四升,水六升,煮取三升,渐分三他,日三。

心劳脉极

労作時脈が速くなる。

心中烦悸

心中が動悸して煩わしい状態

神识慌惚

神経過敏な状態

配薬を見ると以下の通り。

旋覆花

降逆止噫、通血脈(経方薬論 江部洋一郎 東洋学術出版社p67)

栗子

本草を紐解き関連しそうな薬効は益気、補腎気

葱叶

通陽、発汗解肌。イメージし難い。しかし、桂皮の弱い版と記憶している。(経方薬論 江部洋一郎 東洋学術出版社p68)

豉、栀子の2配薬で栀子豉湯である。

梔子鼓湯の症候として

傷寒論76条

発汗後,水薬不得入口為逆。若更発汗,必吐下不止。発汗吐下後,虚煩不得眠,若劇者,必反 復顛倒,心中懊憹,梔子豉湯主之。

ここで経方医学4p72-を参考にすると、胸にカプセライズされた無形の郁熱が存在する。心中懊儂については、胸がムカムカして吐きたくても吐けない。悶えるような不快な症状。

人参

守胃、胃津を高める。

  経方医学4p72-から、梔子甘草湯に少気を伴う場合、胃気を補うため甘草を加える。ちなみに少気とは息切れしてハ一ハ一する状態のこと。

経方医学的に方意を検討する。

胸に無形の熱が存在して「煩」。労作時に宜散しても胸から皮気に衛気が出て行けす、心へ向い「治心劳脉极」。腎気虚を伴う為、腎気が上衛して悸」。そもそも胃気が充分に心心包に届かず「神识慌惚」。

梔子鼓湯で胸の無形の熱を去り宜散を改善。労作時の頻脈、心中煩が収まる。腎気の上衛を旋覆花で抑える。栗子で腎気を高める。人参で胃気を鼓舞して守胃。葱叶で胃気の流れを心下、隔、胸、肺心心包へと届かせる。心気も改善し「神识慌惚」と上衛による「悸」は改善。

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