未だ夜更けと朝の狭間。もちろん、街灯が点っているため、暗闇ではなかった。
私は足にカヤノ30というランニングシューズを履いて、新しい走る場所を探しながら、30分の道のりをスロージョギングしていた。
私は確かにスロージョギングを楽しんでおり、その適度な爽快感と身体のリラックス感を感じていた。
Audibleを聴きながらだから、突然、誰かが現れたような錯覚がした。
聞いているのは『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(村上春樹著)』だ。
その方は白髪で、ふと私の方を見たように感じた。
白髪の方は中肉中背で、私よりもやや遅いスピードで歩いているようだった。
彼の表情から、何かを伝えようとしているように思えた。
彼が耳にイヤホンをつけているのかどうかは分からなかった。
あの方は、もしかしたら未来の自分かもしれないし、あるいは未来でランニングを始めた私かもしれない。
この出会いは、まるで時間と現実の境界を越えて、私たちのランニングと音楽の世界が交差する瞬間だった。
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