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固元補腎湯の経方医学的な治方

雑記

これまで固元補腎湯の配薬と適応症状病機を紹介した。

ここで、経方医学的な治方を紹介する。

まずは条文。

治肾虚、精极,遗精失、溺,气乏无力,不可动转,唾血、咯血方:

地黄切、[王瓜根、苦酒]切各三两、苦酒一升、甘草炙、薤白各四两、乾姜二两切

右六味,以苦酒合并泉水五升煮之,取得三升,每服一升,一日尽之。

では経方医学的に治方を述べる。

 地黄は滋陰補血、王瓜根(新修本草 尚志鈎編 安微科学技術出版社p286)は益気、化瘀。苦酒は散水気作用(新修本草 尚志鈎編 安微科学技術出版社p132)で余分な水を除く。甘草は守胃滋陰。薤白(経方薬論 江部洋一郎 東洋医学出版社p15)は脈外の気を推進しその結果脈中の血も推進する。乾姜で温補して胃気を高める。

ここではたと気付いた。

これまで明らかに黄耆を入れることが有効と思われる病機にも黄耆が配薬されない。輔行訣の時代黄耆が発見されていなかったのではないか。

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