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漢方外来で西洋薬の介入

漢方医学

2006年近畿地方で漢方の修行を開始したときのこと。

発熱の方(原疾患は失念)に漢方で十分解熱出来ず、ボルタレン座薬を使い解熱させたことがある。

その時漢方の師匠に「すみません。漢方で解熱できませんでした。」と、心から謝るおぐりん家の姿があった。

漢方を徹底して勉強していたとき、西洋薬の介入は不要、漢方出直しきるというとても日本の医師とは思えない偏った思想で治療していた。

その絶対的なこだわりが許された有り難い病院、有り難い患者さん、そして師匠であった。

あれから40年(そこまで経ってはいない)。

動悸症状に対して奔豚湯で受診してた人が、風邪を引いた。

動悸症状は消失している。しかし喉が痛む、痰が出来る、咳が出る…。

愁訴が多くなるに従い、生薬数が増加して20個になった。

奔豚気を制するための処方が明らかにいびつになり、見るからに動悸症状が再燃しそうであった。

私は我に返り、「ダメダメダメ。」と口に出して発言してしまった。

「 自分の腕では症状全体に効かす漢方は処方できない。あくまで動悸症状を治すための漢方処方がメイン。だから、風邪症状は申し訳ないが西洋薬で処方するから。」

そのように説明した。

西洋薬を介入させ、味方にして、役立たせる漢方外来もあるのだ。

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