まずは条文から。
従竜湯
外感痰喘を治療し、小青竜湯を服して病が全快せず。あるいは治っても再発する場合は従竜湯を継服する。
龍骨1両、牡蛎1両、芍薬5銭、半夏4銭、紫蘇子4銭、牛蒡子3銭、発熱時石膏数銭から1両1)。
従竜湯とは小青竜湯後に用いるのが最も良い2)。
発表薬を服用しすぎた場合も適宜持ちいる3)。
経方医学において、痰喘の出現は、胸膈心下の不利と心下有水気のためである4)。
結局誤投与以外で従竜湯の病機は何だろうか。以下の2つが考えられる。
1 胸膈心下の不利、心下の飲が取りきれていない。
2 胸膈心下の不利、心下の飲はとりきれたが、新しい病機(従竜湯証)へ移行してしまった。
2は私の浅学で、よく分からない。思いつかない。だからというわけではないけど、Ⅰだけで考えたい。
従竜湯を改めてみると結局、宣散薬は牛蒡子がやや宣散作用があるのみ。他はともかく粛降薬である。芍薬、紫蘇子、牛蒡子で肺から心下、心下から小腸へ粛降させる。化飲の半夏もベクトルとしては下方向である。粛降をメインとし、龍骨牡蛎で固摂する。つまり宣散を、気が散じるのを抑えようとしている。
ただこれなら、小青竜湯に紫蘇子、牛蒡子を加えて経過観察するのもありかもしれない。
引用
1)中医臨床のための医学哀中参西録 第1巻 傷寒・温病偏 神戸中医学研究会編訳 東洋医学出版社p21
2)中医臨床のための医学哀中参西録 第1巻 傷寒・温病偏 神戸中医学研究会編訳 東洋医学出版社p22
3)中医臨床のための医学哀中参西録 第1巻 傷寒・温病偏 神戸中医学研究会編訳 東洋医学出版社p24
4)経方医学3 江部洋一郎 東洋医学出版社p51
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