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杖道の姿勢を変えた「テントの法則」〜アブローラーとデッドリフトの拮抗〜

雑記

まだ厨二病を拗らせ気味だった武術修行の初期。「筋トレは武術の邪魔になる」——本でかじっただけの知識を確かめもせずに、そう固く思い込んでいた時期がある。

もちろん、今では全ての武術に筋トレが不要だとは思わない。ただし、流派の宗家が「不要である」「するな」と言うならば、それに従うべきだとは思う。また、ただ強くなるため、あるいは技や型を成立させるために、どの種目を、どのタイミングで、どれだけ行えばいいのか。それは武術の種類や個人の資質、修行段階、さらにはその日の体調によってデリケートに変わるものだと、今は漠然と考えている。

10年以上前にかつての武術からは離れ、今の杖道を続けて早9年。その半分の期間はサボっていたので、実質的な稽古歴は4年くらいだろうか。

そんな私が最近筋トレをしていて、「これは明らかに杖道の姿勢や動きに良い影響を与えている」と実感する種目がある。

「スティッフレッグデッドリフト」「アブローラー」である。

スティッフレッグの方は、主にハムストリングス(太もも裏)から背中にかけての「身体の背面」を鍛える種目だ。一方、アブローラーはその字の如く、強烈に腹筋など「身体の前面」を鍛える。

不思議なのだ。この二つを合わせて行うと、明確に「体幹が立つ」という実感がある。以前武術をしていた頃の感覚が甦ってくるのだ。これだよな、と。

私の場合、普段から少し前のめりな姿勢になりがちなのだが、この前のめりは型(かた)に分かりやすく悪影響を与える。おまけに体格が大きいものだから、その姿勢の崩れが余計に大きく目立ってしまうのだ。稽古中、杖や太刀を打つ度に、上半身ごとさらに前のめりになっていってしまう。

「これではいけない」と体を立てようと意識すると、今度は不自然に後ろへのけぞってしまう。前のめりとのけぞりの間を行ったり来たりするだけで、ちょうどいい塩梅が見つからない。小手先の意識だけではどうにもならない。かねてから自分の身体の中に確かな「以前のような体幹を探し当て、それを保つ」しかないのだと痛感していた。

それが、この2種目を行った後は、驚くほどカチッとニュートラルな位置に修正されている。

試しにどちらか片方、スティッフレッグの方だけをやってみたが、この「立つ」感覚は起きなかった。なぜかアブローラーもセットで必要なのだ。

私なりの仮説だが、人間の「体幹を立てる」という構造は、テントの支柱を前後からロープで引っ張り合って真っ直ぐに立てる原理に似ているのではないかと思う。

スティッフレッグデッドリフトで太もも裏が活性化すると、骨盤を後ろから下へと引っ張る力が働く。しかし、それだけでは後ろ側の張力が強くなるだけで、真っ直ぐには立たない(あるいは意識が過剰になってのけぞってしまう)。

そこにアブローラーで腹圧を高め、前面から骨盤を支え上げる力を加えることで、初めて前後の引っ張り合いが拮抗するのだ。

その結果、骨盤が前傾も後傾もしないニュートラルな位置に収まり、その上に背骨が真っ直ぐ乗る。これこそが、私が求めていた「体幹を探し当て、それを保っている」状態の正体なのだろう。

なんだかよくわからない部分もあるが、姿勢が良くなり、自然体で立てるようになるというのは武道において間違いなくいいことだ。

この組み合わせは、これからも続けてもいいだろうなと思っている。

「筋トレなんて武術には不要だ」と嘯いていた厨二病全開の頃の私に、このピシッと体幹が立った感覚を教えてやりたい。

 

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