前回に引き続き、16個目の輔行訣のバージョンの日本語意訳を覚え書きとしてここに記す。時期が定かではないその他的な版である。時期が定かなバージョンと合わせて21個ある。
『輔行訣(ほぎょうけつ)』范志良 第二次写本(1972年以前?)
この写本は縦約20.0cm、横約12.3cmです。表紙には「輔行訣臓腑用薬法要」という書名が横書きで記されており、その下には「五味体用補瀉図」と「この図は『湯液経法(とうえきけいほう)』の要諦であり、学ぶ者がこれを熟知すれば、医の道は極まる」という文が続きます。
次のページには、こちらも横書きで「五臓小補瀉法用薬表」があり、本文は3ページ目から始まり、44ページ目で終わっています。本文は縦書きの形式で書かれていますが、最後のページの後半は破り取られています。この写本の末尾には「三十六脈」など、師から学んだ学習ノート(3ページ分)が横書きで記されており、最終行には「七二年本由此本抄録」(1972年の写本はこの本から書き写された)という9文字があります。
この写本は全部で47ページあり、1ページあたり10〜12行、1行あたり22〜26文字で構成されています。これは范志良が1972年以前に、氏名不詳の人物が書き写した写本を基に、再び書き写した『輔行訣臓腑用薬法要』の全文です。
范志良が基にした氏名不詳の写本は、張大昌氏から提供されたもので、16開の原稿用紙の裏面に横書きで書かれていました。張大昌氏によると、この写本には「先祖の別の写本にあった五大補瀉湯などの内容」が残されているとのことです。趙懐舟氏は、この本はもはや范志良の第二次写本ではなく、写本を書き写した本人によって作成された「過録本」(既存の写しをさらに書き写したもの)であると指摘しています。趙氏の「再写本を作成した具体的な時期は1988年秋から1992年秋までの4年間」という結論は、あくまで一説であり、参考程度にとどめるべきとされています。
コメント:仮に趙懐舟氏がいうところの、過録本だとしても、有用な内容ならば受け入れて使って行きたい。自分なりに良いとこ取りした内容で歴史的価値としては重いとは言えないものの、こんなまとめ方、方向性はすきだな。勿論、経方医学で適応できるかどうかは、別に検討したい。
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