「力を抜け、力を。」
先生は口を酸っぱくしておっしゃる。こちらの耳には、もうタコができすぎて痛いくらいだ。「はいはい、力を抜けば良いんでしょう」と頭では理解し、体現しているつもりになる。しかし、稽古がのってくると、ついつい「どりゃ!」と打ち込んでしまう。これがいけない。
先日、本質的にあまり良い杖筋(じょうすじ)ではない、という指摘を受けた。
もちろん、型を補正し、修正を重ねて昨年四段を取得した自負はある。だが、次の五段への昇段審査まではまだ間がある。今こそ、根本的な見直しを図るべき時なのだろう。
自主練日に「じゃあ」ということで、杖を緩く、しかししっかりと持ってみる。そして極限まで力を抜き、腕ではなく「体幹部」の動きのみで杖を扱ってみる実験を始めた。
なるほど、出来なくはない。 ああ、まるで体幹部で直接杖を操作しているような感覚だ。余計な力みが消えると、身体のどこで動きが詰まっているのかが手に取るように分かってくる。
しかし、湧き上がる疑問もある。こんなに力を抜いた状態で、太刀を弾いたり受けたりすることが本当に出来るのだろうか?
結局のところ、以前かじった古武術で得たような身体操作―覚えている範囲ではあるが―に置き換えていくべきなのかもしれない。
やってみて駄目なら、また元のやり方に戻れば良い。試行錯誤こそが、今の自分に必要な稽古なのだ。



コメント