大補心湯証、治方を書き出す。
治胸痹,心中痞满,气结在胸,时从胁下逆抢心,心痛无奈方:
栝蒌一枚捣、薤白八两、半夏半升,洗去滑、枳実熬、二両厚二两、桂枝一两、生姜二両、切
上七味,以白浆一斗煮取四或,每服二或,日再。一方有杏仁半升,无半夏,当从
大補心湯証はどのような症状か。
(治)胸痺
胸痺は胸部の痛みや呼吸器症状をさすリンク。
心中痞満
胸痺の1つで胸が詰まって張っている。
气结在胸
胸に気が詰まっている状態
时从胁下逆抢心,心痛无奈
枳実薤白桂枝湯、人参湯で有名な表現。処刑場での執行場面。あるいは戦闘場面。左右下から槍を突き上げられたような心部の痛みのことである。
枳実薤白桂枝湯の配薬は枳実、厚朴、薤白、桂皮、栝楼である。一方大補心湯は枳実、厚朴、薤白、桂皮、栝楼は共通で半夏、生姜が加わる。即ち大補心湯は枳実薤白桂枝湯加半夏生姜ということになる。
嘔吐症状は条文上ないのでそのための生姜ではない。
小半夏湯の条文を見ると胃気を温めて飲を化し、上逆を止める方意とある(江部洋一郎 経方医学6 p32)。この条文の解釈は誤治で清熱祛湿してしまったため出現した脾胃の虚寒(若しくは寒これは私の解釈)と飲を治するたの処方である。症状は噦である。
胃気を温めて飲を袪す。半夏は上逆を治すとある(江部洋一郎 経方医学6 p32)。一方大補肝湯にはこの噦などの上逆や胃脾の寒、虚寒症状はないようだ。よって半夏生姜はあえて配薬せずとも良い。
それでは枳実薤白桂枝湯の処方解説江部洋一郎 経方医学6 p54)を参照して大補心湯の処方を経方医学で見ていく。
痰濁が生じ、ついに胸気不利をきたす。結果気結在胸となりそのため心の辺りがつまり膨らむ感じとなる。さらに増悪して胸心下の昇降不利を着たしす。すると胸に向けて胃気が暴発的に上昇し、強い胸痛を生じる。胸痺は心包を不養となる。
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