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AIと共に『輔行訣』の森を歩む

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 古典医学の探究は、深く、広大な森を歩むのに似ている。一つのテーマを掘り下げれば、また新たな道が拓けていくのである。現在、私は范志良版『輔行訣』における「肝病」に関する考察を終え、次のテーマである「心臓病」の執筆へと歩を進めている。この道のり、振り返れば原稿作成において、AIツールであるGeminiが強力な杖となってくれた。

原稿作成の険しい道と「Gemini」という杖

『輔行訣』の文章構成は非常に多岐にわたり、一つの条文を解き明かすにも困難が伴う。具体的には、以下の点が挙げられる。

  • 翻訳そのもの: 原文の正確な理解と、ニュアンスを損なわない日本語表現への変換。
  • 漢方的な解釈: 古典漢方医学の知識に基づいた、条文の背景にある病態の深い理解。
  • 経方医学的な考察: 本テーマである経方医学の視点からの、処方の意図や生薬の働きに関する詳細な分析。

 これらの作業は、全体像を常に意識しつつ、細部にも細心の注意を払う必要がある。そのため、思考は錯綜し、作業時間は大幅に削られる。AIを用いていなかった頃、遅々として進まない状況であった。

 しかし、翻訳や基礎的な解釈といった作業の多くをGeminiに託すことで、思考に余白が生まれたのである。これにより、以下のような大きな恩恵が得られた。

  • 思考の深化: 基礎作業の時間を削減できたことで、より本質的な考察、つまり「なぜこの処方なのか」「この病態の核心は何か」という問いに集中できるようになった。
  • 本質的な解釈の実現: 結果として、肝病の本質的な経方医学の解釈を、自分自身でも納得のいくレベルまで深めることができた。

AIは単なる時短ツールではなく、思考を拡張し、より創造的な領域へと導いてくれるパートナーとなり得るのである。

 

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