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当帰湯を見直す

漢方医学

当帰湯の配薬は当帰、半夏、桂皮、厚朴、芍薬、人参、黄耆、山椒、甘草、乾姜である。大建中湯のような雰囲気があり、腹痛と腹部膨満感をともなう前提のような印象がある。

実際、適応はツムラの手帳を開くと膨満感が伴っているようだ。

武骨な配薬だ。経方っぽいが原典は千金方。

実は、原因不明の腹痛に難儀している患者さんがいる。採血、大腸カメラ、CTなどでも原因不明。痛みだけである。膨満感はない。当帰湯は勿論思いつかないでいた。実は別の症状の治療をしていて、腹痛については検査はしたものの、積極的な治療は希望していないでいた。

そのような中で漢方の臨床2025年1月号を読んでいたところ、なんと難治の腹痛を、それもエキス剤で、当帰湯で消失させた気じが掲載されていた(漢方の臨床2025年1月号東亜医学協会p121)。それも3症例もだ。

思えば大建中湯も膨満感とは無関係に便秘に使用して一定の効果を得ることができる。まあ、処方してみて損はないな。

ああ、そういえば山椒を採用しようか。

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