乱合の後半で杖を回す形がある。
そこでは太刀と交り合いの形で歩を進め、いきなりくるりと回す。
前回の稽古では、なかなか型の意味までは理解しようとするには及ばなかった。手順を忘れまいとすることに集中していた。
ビデオを見返し、技の手順だけでもと練習しているうちに気付いた。
これは、いったい…。
なんだか懐かしい。
これを、あるいはこれに似た型を太刀で行う流派を知っている。
駒川改心流である。
もう30年以上前になるか。
それは輪の太刀。完成の果てには魔の太刀というほど恐怖の対象となった技術である。
だいたい、切り込んだと思ったら逆に切られるんだからたまったものではない。
勿論ただ回せば身につくモノではない。習得には型稽古により身体の動きを何段階も質的変化させていくことが大前提である。
乱合に戻る。
あらためてこのクルッとあからさまに回しているビデオを観た。
「聞きかじったことあはーw!、真似っこしているぅ〜」
と一瞬思った。
しかし待てよ。
これは太刀対太刀ではない。杖なのだ。
杖ではもしかしたら、簡単に輪の太刀ができてしまうのか。
あるいは回すのは輪の太刀とは別の使用目的か。
だいたい、太刀同士でいうところのつばぜり合いで使うのだ。
では、さっと引いてチカラが抜ける一瞬の隙に次の打ち込みをする気か。
いずれ杖をいったん引くことはガードが無くなりとても危険な状態が出現する。
その対応方法は?
乱合への疑問は尽きないな。
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