「何故そんなことが分かるんですか?」
神妙な面持ちで、脈診をしながら、PCに所見を書き入れ行く。
脈診を終えようと左橈骨動脈から私の右人差指を離した瞬間、ゆっくりと患者さんに振り向く。
「これなら、息苦しくないですか?息吸ったときに入りきらないような。」
これは、実は当たる。
明らかな脈証というものがある。
昇陥湯証という、怠くてしょうがない状態だ。
怠い以外は日中つよい眠気が襲ってくる。それでいて夜は寝られない。
疲れてやすくてふらふら。
そして息も、である。
倦怠感があるというだけではたどり着けない。
脈証まで見ると、分かる。
脈は沈む。あるいはふにゃふにゃしている。緩脈でも何でも良い。弦は殆どない。按無力だ。
だから、分かってしまうのだ。
決して脈だけで呼吸の状態が、分かるわけではないのです。
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