ZettelKasten。
ドイツの社会学者ルーマン先生が残した最高のメモ術。
日常のメモを上手く取り込み書籍や論文などをプロダクトするための方法。
用意するモノ、やり方は簡単。
でも誰もこの方法でルーマン先生ほどの書籍や論文をプロダクトできていない。
この私もその一人だ。
上手くいかない、悩むたびに、日本語訳『TAKE NOTES! ズンク・アーレンス著 日経BP』を紐解く。この本はZettelKastenをよくまとめて解説している。
だから今回再び見直した。
ところで、ルーマン先生はZettelKastenと相談したという(同上p43)。
そこで改めて、自分の永久保存版メモを見た。
相談相手として、「やあ、久しぶり!」という感じで。
いや実際には目に入れたくなかった。
それはどういうことか。
永久保存版メモタイトルが小難しいのだ。
「瘀熱在裏は小腸が現場」
「厥陰病の日数に応じた転機」
等々。
頭がタイトルに追いつかない。にわかに内容が思い浮かばない。
ちゃんと自分の言葉で書いた内容とタイトルなのに。
勿論、「胆道系と鑑別後怪しかったら紹介フィッツ・ヒュー・カーティス症候群」
などとイメージし易いメモもあったりする。
しかし、もはや記憶が殆どない。
ああ、小難しいファイルは開く気になれない。
しかし、嫌々ファイルを開くと、これはさすが分かりやすい。
永久保存版メモは自分の言葉で表現を尽くして、かつ簡潔に書いている。
そもそも単にコピペしたわけではない。それどころかすぐに書籍や論文などの文脈に組み込めることを目指している。
だからその内容から見たら確かにタイトルは比較的適切で納得ある。いや刺激的ですらある。
なんだちゃんとできているではないか。
それではZettelKastenと会話するには何が問題なのだろうか。
タイトルを分かりやすく変えるのか?
いや、内容とはかけ離れるタイトルにするのは避けたい。
答えはデジタルガーデン(アトミック・シンキング: 書いて考える、ノートと思考の整理術 Kindle版五藤隆介著 (No.699)状態にするのが最適解である。
つまり、メモを定期的に見直して、メモを書いたときの問題意識を持ち続けること。
少なくともタイトルが受け入れられるかをチェックする。
その時自分で書いたタイトルが「嫌な感じ」がするならば、チャンスだ。
内容を忘れている可能性がある。その時は思い切ってえいや!とファイルを開いて内容を確かめる。あるいは内容を更に分かりやすい表現に改訂する。必要なリンクを別のメモに貼っていく。
これがZettelKastenと相談する準備ではなかろうか。
それではまず、全ての永久保存版メモを開けることとしよう。
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